サラギY's Blog

サラリーマン・ギタリストYが音楽、楽器、エフェクタや機材のこと、果ては日常の戯れ言をとりとめもなくつらつらと

Enigmatic Ocean / Jean Luc PontyでのAllan Holdsworth

Allan Holdsworthは中学生時代、私が最も好きだったギタリストです。彼を知ったきっかけはBill Brufordのバンド「UK」での演奏。演奏スピードはもちろんのこと、そのフレーズの音使いがとても常人には理解できないような音列であるところに強く惹かれました。当時の私には彼の演奏のコピーは全く望むべくもなく、純粋にリスナーとして楽しむ対象のギタリストでした。これは自分の他のギターアイドルとは完全に一線を画すところであります。純粋に彼の演奏を発掘し、人知れず賞賛する、孤独だが力強いファンとしての行動が始まった。

 

それから程なく、彼がSoft Machineというバンドで頭角を著したこと、Frank Zappaにも目をかけられていることなどが、だんだんわかってきました。Zappaのバンドにはいつも上手いミュージシャンが入っており、彼らの多くはジャズ・ミュージシャンであるか、ジャズを勉強したことがある人たちでした。Jean Luc Pontyというviolinistもそんな中の一人でした。そんな折、当時良く通って盤漁りをしていたDisk Unionで、「Jean Luc Ponty」の「Enigmatic Ocean」というアルバムにHoldsworthの名前がクレジットされているのを発見しました。そして、店員さんにお願いして視聴させてもらったその内容は想像を絶するものでした。

 

ここでのHoldsworthの演奏は、音色・テクニックとも最高のもので、特にトレモロ・アームの操作は同時期に存在していた他のバカテク・ギタリストのレベルを完全に凌駕するものでした。勢いに任せた音程ダウンの効果ではなく、クォータ、半音レベルでのニュアンスを独特のフレーズと混ぜることによって絶妙の魅力を放っています。私は、勉強中にこのアルバムを1年以上毎日のように聞きましたが、全く飽きることはありませんでした。

 

すごいアルバム。ギタリスト必聴です。

 

Enigmatic Ocean

Enigmatic Ocean